世界的にも唯一、手作業でフルートを1人で創る職人
Yoshiteru Akiyama
私は1997年に長年勤めていたフルートメーカーを辞めて工房を構えました。
量産メーカでは追求することが難しい楽器の本質について、こだわりを持った楽器作りを目指しての出発でした。
今でもそうですが、フルートを一人で作ることは世界中でも稀なことなのかも知れません。
12年の歳月が過ぎようとしています。シームレスパイプから巻管フルートへ、
さらに19世紀のフランスの銀食器を素材にした楽器、
現在は世界でも当社だけだと思われる14金、18金の巻管フルートの製作も手がけています。
巻き管を作り始めたのは1通の手紙が届いたことがきっかけでした。ちょうどランパルさんが亡くなられた翌月の6月24日に、
フランスルイロット工房の最後の職人さんからの託された思いを伝えようとして送られてきた手紙でした。
もっとも重要なことは「巻き管」で作ること。私は、これをランパルの遺言だと思っています。
この不思議な縁から作り始めた手巻き管が持つ特別な魅力を、より多くのフルートを愛する人達にお届けできればと考えています。